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バカテスト・数学

(ライトノベル『バカとテストと召喚獣7』(第7巻) pp.106-107)
第4問

次の等式を数学的帰納法を用いて証明しなさい。
1 + 3 + 5 + …… + (2n-1) = n2 ……①
(但し、n は自然数とする)


<姫路瑞希の答え(模範解答)>

[1] n=1の場合、①式は
(左辺) = 1
(右辺) = 1
より成立します

[2] n=k の場合成立すると仮定します
1+3+5+……+(2k-1)=k2 ……②

 n=k+1 の場合①式の左辺は
 1+3+5+……+(2k-1)+(2k+1)
=k2+(2k+1) (②式より)
=(k+1)2

 つまり、
 1+3+5+……+(2k-1)+(2k+1)=(k+1)2
 となり、
 n=k+1 のときも①式は成立します

[1][2]より、①式は全ての自然数nに
おいて成立すると言えます


<解説>

やや冗長ですが、数学の答案に丁寧語を使ってしまうとは、優くて、おしとやかな、姫路さんらしい解答ではないでしょうか。

さて、本問は、数学的帰納法を用いた証明問題です。

数学的帰納法――それは、高等学校で習う数学Bにおいて、「数列」の項目の最後の方、漸化式の次ぐらいにおまけのようにくっついている証明法ですが、ええ、そりゃもう重要な証明法ですとも。

一般的に、難関大学の大学入試問題において、わざわざ「数学的帰納法を用いて証明せよ」だの「背理法を用いて証明せよ」だのと問題文に書いてある場合には、

  • その問題が難しすぎる or 迷走すると大変なことになるので、その証明法に誘導してあげている。要はヒント。
  • その問題には複数の解法が考えられるが、色んな解法で答案が書かれると、後で採点するのが面倒くさいので、その証明法に無理やり誘導している。東大がよくやるのはコッチ。京大は誘導自体ほとんどしない。
  • のどちらかのパターンが考えられます。

    普通は、証明問題で「こんな風に証明してねー」なんて指示が付くわけありませんもんねー。自分自身の力で論理的に証明していくことに意味があるのですから。

    さて、そんなわけで、大学入試においては「〜〜を証明せよ」とだけ書かれた問題文を前に、途方に暮れるわけですが、もしもその問題の変数が自然数(と0)であったならば、最終手段として数学的帰納法を使えば、無理やり解ける、場合があります。(もちろん、明らかに数学的帰納法を使うパターンの問題のときは、どんどん使ってくださいね!)概して数学的帰納法は面倒くさい証明法であるので、他にもっといい証明法が思いつけばいいのですが、どうしても証明法が思いつかないときには、取りあえず部分点狙い、あわよくば完答を狙うことができる、場合があります。

    ※先程から「場合があります」と連呼しているのは、数学の証明方法に万能なものなどないからです。お察しください。変数が自然数(と0)でなかった場合は、背理法か何かを疑ってみてはいかがでしょう。


    さてさて、話を戻しましょう。

    数学的帰納法は、しばしばドミノ倒しに例えられる証明法(?)です。

    1. 順序良くドミノが並んでいる
    2. あるドミノが倒れたとき、次のドミノが倒れる
    3. 最初のドミノは倒れる

    この3つの事実があれば、ドミノはすべて倒れることは明らかですね。

    条件Aは、数学的帰納法を使うための前提条件です。変数が自然数であること、ですね!

    条件Bは、上の姫路さんの解法における [2] の部分です。数学的帰納法の核にあたる部分です。ここが完成すれば、数学的帰納法はほぼ完成です。点数ゲットだぜ!

    条件Cは、上の姫路さんの解法における [1] の部分です。いわゆる初期条件です。B→Cの順番に並べたのは私のこだわりです。
    数学的帰納法において、この条件を忘れると、ドミノが倒れません!(そりゃそうだ!)ちゃんと答案が書き終わったら、ドミノが倒れるかシミュレーションしてくださいね!


    さてさてさて、上に挙げたのは典型的な数学的帰納法でしたが、これの亜種として、上の条件B、Cを

    1. あるドミノとその次のドミノが倒れたとき、そのまた次のドミノが倒れる
    2. 最初のドミノとその次のドミノは倒れる

    に変えたバージョンも存在します。ドミノが少し肉厚で、倒れにくかったんでしょうかね。あるドミノを倒すために、1つ前のドミノ(昨日)だけでなく、2つ前のドミノ(一昨日、おととい)も倒しておく必要があることから、「帰納(=昨日)法」に対して、「おととい帰納法」と俗に呼ばれています。


    さらに、上の条件B、Cを

    1. あるドミノと、それまでのすべてのドミノが倒れれば、その次のドミノが倒れる
    2. 最初のドミノは倒れる

    に変えたバージョンも存在します。あるドミノを倒すために、

    1つ前のドミノ(昨日)
    2つ前のドミノ(おととい)
    3つ前のドミノ(一昨々日)
    ……
    7つ前のドミノ(一週間前の自分)
    ……
    365個前のドミノ(一年前の自分)
    ……
    ……
    ……
    そして、一番最初のドミノ(この世に生を受けた瞬間)

    さえも倒しておく必要があることから、俗に「人生帰納法」と呼ばれています。


    数学の一つの証明法にすぎない数学的帰納法で、人生を表現してしまうんですから、なかなか数学も侮れませんね。



    <結論>

    数学的帰納法、略して「ス・テ・キ」(うがく き のうほう)

    よし、オチが決まった(笑)

    ちなみに、私のノートで
    ∵)ス・テ・キ
    と書いてあれば、それは
    上の命題は数学的帰納法によって証明できる
    という意味です(笑)



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    <出典>

    バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫)

    バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫)
    井上 堅二