バカテスト・世界史
(ライトノベル『バカとテストと召喚獣4』(第4巻)
pp.30-31)
第2問
西暦1492年、アメリカ大陸を発見した人物の名前をフルネームで答えなさい。
<姫路瑞希の答え(模範解答)>
クリストファー・コロンブス
怪しい問題です。以下のように問題を訂正すべきでしょう。
<問題・修正版>
西暦1492年、アメリカ(サン・サルバドル島)に到達したイタリア人の名前をフルネームで答えなさい。
<解説>
1492年、ノルマン人を除くヨーロッパ人として初めて、
アメリカに「到達」したのが、かの有名な、クリストファー・コロンブス
です。
彼は、「インド」
(※当時の西ヨーロッパの人々にとって、アジアの東の方の地域は漠然とすべて「インド」である)
にたどり着いたと確信したが、実はそれはバハマ諸島のサン・サルバドル島
だったね、
アジアじゃなくて、アメリカ
だったんだね、という有名な話です。
さあ、そういうわけで、 1492年の時点で、コロンブスはアメリカ「大陸」は発見してません
ね!
実は、その後、コロンブスは、3度目の航海で南アメリカ大陸、4度目の航海で北アメリカ大陸に達しているのですが、
いずれにしろ、これは1492年の出来事ではありません。
さて、次は、アメリカ大陸を「発見」
した、という言い草についてです。
1492年に、コロンブスがアメリカを「発見」したなんてのは、西ヨーロッパ人の傲慢
ですよね。
アメリカ大陸には、最終氷期(1万年以上前)にベーリング地峡を通ってアメリカ大陸に達した
ネイティブ・アメリカン(インディアン)の祖先に当たる人たちが、既に住んでいた
わけですから。
さらに10世紀ぐらいには、ヴァイキングであるノルマン人が、短い間ではあれ入植もしているわけですから、
1492年になって、コロン・ブスがのこのこやってきて、アメリカを「発見」
したというのはおかしな話です。
現在、世界史の教科書をよーく見てみると、「コロンブスがアメリカを発見した」、とはどこにも書いてなく、 「サンサルバドル島に到着した」、「サンサルバドル島に到達」
などといった風に表現されています。
しかし一方で、1519年に、香辛料の産地モルッカ諸島(インドネシア)を目指して西回りの大航海に出たマゼランが、
実際にはフィリピンで殺されたにも関わらず、
1519 マゼラン、世界周航(〜22)
と記されている例もあり、世界史の記述の難しさがうかがえますね。
<結論>
俺の財宝か? 欲しけりゃくれてやる。
探せ!
この世のすべてをそこに置いてきた。
男達はインド亜大陸を目指し、夢を追い続ける。
世はまさに 大海賊時代!
大航海時代!
〜〜
1492年、クリストファー・コロンブスは、大西洋を横断し、
西ヨーロッパ出身の人物としては初めて、アメリカの海域(サン・サルバドル島)に達した。
<出典>
バカとテストと召喚獣 4 (ファミ通文庫)
井上 堅二
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