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さて、問題は後回しにして、まずは文意を把握しましょう。
表3の上から順々に…
「同環」と「異環」の違いはいいでしょう。
共役二重結合が1つの環に収まっていれば、「同環」
異なる環にまたがっていれば「異環」
両方を満たす場合は「同環」を優先。
「二重結合への共役」
これはよく分かりませんね。
「何が」二重結合に共役しているのかを見極めましょう。
化合物1と化合物2を目を皿のようにして見比べます。
化合物1を見ると「二重結合への共役」は計算されてませんが、
化合物2では、C5=C6の二重結合のみに対して加算されています。
ということは、「ジエンが二重結合へ共役している」ということが分かりますね。
つまり、先程、「同環」と「異環」で注目したジエンを中心として、
共役している二重結合の個数に関して加算しているわけです。
1→ジエン(異環)に二重結合は共役していない。
2→ジエン(同環、環B)に二重結合が1コ共役している。
「アルキル置換(環残基)」
これはいいでしょう。
図のように数えればOK!
「環外二重結合」
これもよく分からないですね。
結論から先に申し上げますと、
それぞれの環に対して、直接結合した二重結合の数(共役したものではない)
を数えなければなりません。
1-A → 環Aから見ると、二重結合が1つ直接結合している。
1-B → 環Bから見ると、直接結合している二重結合はない。
2-A → 環Aから見ると、二重結合が1つ直接結合している。
2-B → 環Bから見ると、二重結合が1つ直接結合している。
2-C → 環Cから見ると、二重結合が1つ直接結合している。
2-D → 環Aから見ると、直接結合している二重結合はない。
「極性基」
まったく言及されてません(爆)!
分かるでしょ? ということなのか…そうなのか…。
というようなことを文脈から読み取らないといけません!
というか、読み間違えたら解けません…(汗)
頑張れ! この試験を受ける人はほとんどが理系でしょうが、
国語も勉強しましょう!
では、問題に挑戦!
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ジエンを中心としてみると、2コの二重結合が「共役」していますね。
というわけで、+60
「アルキル置換」は…、
5コですね! +25
「環外二重結合」は…、
それぞれ、青色で示した環に注目すると、
全部で3コありますね! +15
「極性基」は…、
OAc なので、+0
したがって、以上を足し合わせると、
253+60+25+15+0
= 353(nm)
いかに、文章把握ができるかがカギとなった問題でした。
この次の問題の問9は、
フェノールフタレインの呈色の仕組みを知っていた人には余裕の問題だったでしょう。
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