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今度こそ、有機のラストです。
最後なので、図は手抜きして、流用です(汗)。

 



 

 
 iii ) 化合物【C】から生成したエノールと化合物【E】が反応して炭素−炭素結合をつくり,化合物【F】
 となる。なお,この反応では生成物からのプロトン脱離が起こっている。

iv ) 化合物【F】中の水酸基にプロトンが付加した後,水として脱離し,それと同時に環内に二重結
 合が生成し,化合物【G】となる。化合物【G】は化合物【E】と共通の骨格を含む。

v ) 化合物【G】の鎖状部分がエノールとなり,反応iii)と同様の反応が分子内で進行して化合物【H】
 となる。

vi ) 最後に化合物【H】から2 分子の二酸化炭素が脱離してトロピノンとなる。
 



 

 
問7 化合物【A】〜【D】,【F】〜【H】を構造式で答えなさい。なお,一連の反応の概要と化合物【E】
  の構造は図12に示すとおりである。また,【E】のように正電荷をもつ化合物もあるが,対になる
  陰イオン(アニオン)に関しては考えなくてよい。
 


iii )の反応を見ていきましょう。

iii ) 化合物【C】から生成したエノールと
化合物【E】が反応して炭素−炭素結合をつくり,化合物【F】となる。
なお,この反応では生成物からのプロトン脱離が起こっている。


【C】から生成したエノールをまず考えましょう。




続いて、このエノールと【E】が反応して、炭素-炭素結合をつくり、【F】となる、
という反応を考えるわけですが、

炭素-炭素結合と聞くと、何か思い出しますね。
そう、アルドール反応です。

この反応と同じように考えていくと…、

まずは求核性をもつ部分と、求電子性をもつ部分を探し出します。

エノールは求核性、正電荷をもった窒素の隣の炭素が求電子性をもっているので、

以下の解答の図のようになります。






続いて、iv )の反応を見ていきましょう。

iv ) 化合物【F】中の水酸基にプロトンが付加した後,
水として脱離し,
それと同時に環内に二重結合が生成し,化合物【G】となる。
化合物【G】は化合物【E】と共通の骨格を含む。


水酸基……。古臭い言い方ですね…。

水酸基というのは、ヒドロキシ基のことです。
昔の本なんかを見ると、たいてい-OH のことは水酸基と書かれています。

ぜひこのような言い方は改めていただきたいものですが…。

それはさておき、ヒドロキシ基にプロトン化が起こり、水として脱離する、というのはまさに水の脱離の定番ですね!

それと同時に化合物【E】と共通の骨格 が出来るのですから、

下の解答の図のようになりますね。


 


 
続いて、v )の反応です。

v ) 化合物【G】の鎖状部分がエノールとなり,
反応iii )と同様の反応が分子内で進行して化合物【H】となる。


これも説明の必要はないでしょう。

iii )と同様の反応です。
以下の解答の図の通り。



 

 
そして最後に、vi )の反応です。

vi ) 最後に化合物【H】から2分子の二酸化炭素が脱離してトロピノンとなる。



解答の図の通りですね。

さすがに、この反応の逆反応から【H】を導きだすのは、少し難しそうです。
素直に正攻法で行くのがベターでしょう。



以上が2007年度の【2】でした。
はっきり言って、時間内に解き切るのはほぼ不可能に近いと思われます。
取れるところをしっかりと取っていく方針で臨みたいですね。
 
 


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