「アルミニウム」は元素記号Alで表される金属元素です。
語源はラテン語の『ミョウバン=alumen』。
そのミョウバンは、実は、正式名称は硫酸カリウムアルミニウム。
あの小学校の時に理科の実験で使った透明感のある薬品ですね。
漢字で書くと明礬とも。
礬とは、日本語でアルミニウムのことを言うんですよ〜。
現在、アルミニウムは軽くて電子を良く通し、
それでもって加工がラク、ということから金属のスターになっています。
しかしながら、『電気のカンズメ』と呼ばれるように、
原料のボーキサイトから作るには大量の電気が必要。
具体的には言うと、たった1グラムのアルミニウムを得るには
1時間当たり15〜20ワット必要なんです。
だから、皆さん、アルミ缶のリサイクルに協力してくださいね。
しかしながら…最近このスターにある疑惑が浮上しています。
それは、アルミニウムがアルツハイマー病に関連しているのではないか、ということです。
本来アルミニウムイオンは人間の脳には入ってこないはずなのですが、
アルツハイマー患者の脳にはアルミニウムイオンが大量に存在していたのです!
しかし、それがアルツハイマー病にかかった原因なのか、
アルツハイマー病にかかったからこうなったのか、まだ分かっていません。
今後の研究が待たれるところですね。
宝石において大人気のルビー、サファイア。
何をいきなり? と思った方もいるかもしれませんが、
実はこの2つ、基本的には酸化アルミニウム(アルミナとも)の結晶なんです。
ルビーは微量のクロムを、サファイアは微量の鉄やチタンを含みます。
これが普通の酸化アルミニウムの結晶であるコランダムです。
コランダムというのは、酸化アルミニウムの結晶の総称で、ルビーやサファイアも含みます。
宝石用というわけではないのでなんとなく褐色がかってますが、
ちゃんと主要部分はルビーやサファイアと変わりません。
また、綺麗な六角形であることもこの鉱物のひとつの大きな特徴です。
写真を見ていただけると分かるように、『コランダム』という名の下に小さく『鋼玉(こうぎょく)』と書いてあります。
名前からして硬そうではありませんか。(笑)
このコランダム(もちろん、ルビーやサファイアもですよ。)は、モース硬度(※)9、つまりダイヤモンドの次に硬い物質です。
ということは、世間一般のものはダイヤモンドを除き、すべてに傷をつけることができるということです。
同じアルミニウムを含む物質としては、トパーズ(黄玉)も有名ですが、コランダムとは若干組成が違います。
このトパーズは宝石としてではなく、モース硬度(※)8の物質として有名です。
(※)モース硬度…
ドイツの鉱物学者モースが考案した、鉱物の硬度の比較の基準とする10個の鉱物の組み合わせのこと。
数字が大きくなるほど硬くなるが、それぞれの硬度の数値と硬さの比率は必ずしも比例していない。
たとえば、コランダム(硬度9)とダイヤモンド(硬度10)の間は、他の鉱物間の差にくらべ、遥かに大きい。
そして、名前は違っても、主要の組成が同じのときは硬度は同じである。
(例)コランダム ⇔ ルビー、サファイアなど 石英 ⇔ 紫水晶、煙水晶など 緑柱石⇔アクアマリンなど
また、鉱物の硬度を調べる場合、例えば石英には傷を作ることができたがトパーズには無理だった場合、『硬度7.5』となる。
つまり、硬度は最小単位は 0.5 ということになる。
ここで言う 『硬度』 とは、『傷のつきやすさ』 のことであり、打撃に対する硬さではない。
だから、一番硬いダイヤモンドでも、金槌の手にかかればほんの一瞬でただの炭素の粒に成り下がってしまうので注意。
(モース硬度)
↑やわらかい(傷がつきやすい)
1:滑石(タルク)
2:石膏
3:方解石
4:蛍石(フローライト)
5:燐灰石
6:正長石
7:石英(水晶)
8:トパーズ(黄玉)
9:コランダム(鋼玉)
10:ダイヤモンド(金剛石)
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