「キセノン:Xenon」 は元素記号Xeであらわされる希ガス元素です。


語源はギリシア語で 『見慣れない=xenos』 です。

周期表の一番右の18族に位置する希ガスであり、他の希ガス元素同様、反応性は極めて低いです。
ですから、キセノンも18族元素の中ではやはりかなり後期に発見されました。
ちなみに最外殻電子1つを引っこ抜くためのエネルギー(=第一イオン化エネルギー)は約 1170 kJ/mol です。
参考までに、H2の結合解離エネルギーは約 437kJ/mol ですから、結構高エネルギーであることがわかります。


このキセノン、周期表での位置や元素番号からもわかるとおり、すごく大きいです。

(自主規制)

え〜、このキセノンは、比較的大きな元素です。
よって、最外殻電子が原子核から遠くなるので、それに対する原子核から受ける力の効果が幾分か小さくなります。
He 1.5Åで、Xe 2.2Å

ということは最外殻電子が少しとれやすい、ということになりますね。
今、キセノンの第一イオン化エネルギーを記しましたが、ヘリウムのそれは約 2372kJ/mol で、相当電子がとれやすことがわかります(それでも取れにくいですが)。

1962年、この不活性ガスの常識を打ち破ることが起こりました。

それまで、包接化合物、つまり、何かほかの化合物(水やフェノールなど)がかごの様な構造をとり、その中にキセノンを入れることはできていたのですが、ついに希ガス元素に直接他の元素を反応させることができたのです。

化学者バートレットが、強い酸化力を持つフッ化白金(Y)を使って、橙赤色のヘキサフルオロ白金酸キセノン Xe[PtF6] を合成しました。
また、同じ年にはクラッセンらがフッ素との熱反応で無色(黒色とも)の XeF4 を合成することに成功しました。

現在、キセノンは2・4・6・8価の化合物をとることが知られています。

たとえば、6価の XeO3 は三角錐型の結晶で、吸湿性と極めて強い爆発性を持っています。
また、水溶液中では極めて弱い酸となり、HXeO4- の存在が認められ、最終的に XeO64- を生じます。
8価の XeO4 4面体構造を持つ無色の気体で、これも爆発性を持ちます。

ちなみに、クリプトンも KrF2 のような化合物を作ることが現在知られています。





<知られざる元素トリビア>


                   
                     
 
   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                             

 

















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