「コバルト:Cobalt」 は元素記号Coで表される金属元素です。

語源は 『Kobalos:山の妖精(もしくは化け物)』 です。
詳しい理由は分かりませんが、銀と似ていて扱いにくかった、
鉱山の地下にあったからだ、という辺りが有力と見られています。


単体の性質はニッケルとよく似ています。
例えば強磁性という磁石にくっつきやすい性質を持っていたり、
濃硝酸に対しては表面に酸化物の皮膜を作り不動態となります。


コバルトときくと、コバルトブルーの名を思い浮かべる方もいるでしょう。
コバルトブルーは、実は単なるそういった色の名前ではなく、実はれっきとした顔料の名前なんですね。
化学式で言うと、CoO・xAl2O3 =アンミン酸コバルト を主成分とした青色顔料でテナール青とも呼ばれます。
ちなみに、酸化コバルトと酸化亜鉛の化合物はきれいな緑色をしていて、コバルトグリーンと呼ばれているとか。

またコバルトの特徴として、やはりその化合物の色鮮やかさと色の種類の多さが挙げられます。
前記の通り、コバルトブルー(グリーン)もその一例でしょう。
他に有名なものとしては、塩化コバルト(II)があります。

身近な例で言うと、水分の検出に使う塩化コバルト紙がありますね。
青(無水物)→赤(水和物) 
になると水分が検出されたことを示します。

このことからも分かるように、塩化コバルトの水溶液は赤なのです。
しかし、濃度を濃くしていくと、赤→紫→青→深い青 とどんどん色が変わっていくそうです。

意外かもしれませんが、コバルトには放射性同位体 60Coが存在します。
主にγ線を使った悪性腫瘍の治療に使われますが、残念ながらコバルト爆弾という放射能兵器にも利用されています。
このような例は、軽視すべきではない化学(科学)の裏の面としてしっかり頭に入れておきたいものです。

工業への用途は、その強磁性を生かした永久磁石(サマリウムコバルト磁石、超強力)や、
耐熱・耐食鋼、各種合金として使われます。
また、CDプレーヤーなどの磁気ヘッドなどにも用いられています。


いきなりですが…

『コバルトは人体中にある』

これは、事実です。

実はビタミンB12の中心元素がコバルトなんですね。
ビタミンB12が不足すると、悪性貧血になってしまうそうです。
含まれている主な食品は、肉類のようです。
だから、肉とか卵を食べる時は『今自分はコバルトを摂取している』とあえて短絡的に考えてみてはどうでしょう。
新鮮さとかそういうものは保障できませんが、「ふ〜ん…」 くらいは感じると思います。
友達や家族に言っても同じ反応でしょうね。




<48K部長注>

単体のコバルト(金属としてのコバルト)の色は、灰色っぽい銀色といった感じの色です。
いわゆるコバルトブルー、青色は、無水状態でのコバルト(II)イオンの色です。
そして、このコバルト(II)イオンの水溶液が、赤色というわけです。

コバルト(II)イオン、鉄(III)イオン、ニッケル(II)イオンの水溶液の色。

▲左から、コバルト(II)イオン、鉄(III)イオン、ニッケル(II)イオンの水溶液の色です。
綺麗ですが、れっきとしたです。飲まないように(笑)!





<知られざる元素トリビア>


                   
                     
 
   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                             

 



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